開催の背景

  • イノベーション教育への高まる関心

    2014年度より、日本におけるイノベーション創出の活性化のため、文部科学省のEDGEプログラム(グローバルアントレプレナー育成促進事業)が開始されました。
    近年、イノベーション教育に対する関心が高まっているのは何故でしょうか。現代社会は、グローバル化やコモディティ化によって、高付加価値商品の優位性を確保することが難しくなっています。社会変化は加速しており、企業を取り巻く環境の不確実性は増加し、リスクは増大しています。イノベーション事業の探索は、社会変化に伴う将来の不確実性に対する「保険」という考え方ができます。そして、イノベーション教育は、イノベーション事業の探索のための「手段」となります。このような背景から、イノベーション事業の重要性と、その教育の必要性が認知されるようになってきています。

  • i.school、世界の教育プログラム

    米国Stanford大学のd.school、Illinois工科大学のInstitute of Design、英国Royal Colledge of Art(RCA)のInnovation Design Engineering、フィンランドAalto大学のInstitute of Design、韓国KAISTのIndustrial Design学科など、世界中でイノベーション教育のプログラムが展開されています。
    「日本らしさの追求」を進めて、世界中から称賛される日本発の優れたモノやコトを生み出すためには、日本社会にイノベーションの生まれる環境を整える必要があり、東京大学知の構造化センターでは2009年にi.schoolを立ち上げました。

  • 企業人向けワークショップの開催

    i.schoolは、これまで東京大学の学生に対して、人間中心イノベーション、すなわち人々の生活や価値観を洞察することによって生まれるイノベーションを生み出す力を養う教育プログラムを実施してきましたが、日本能率協会との連携により、企業の方を対象に、「人間中心イノベーション」ワークショップを開催することになりました。本ワークショップは、これまで蓄積されたi.schoolの活動成果をもとに構成しており、体験を通じてi.schoolの方法論のエッセンスを習得することを狙いにしています。

  • 人間中心イノベーションとは

    日本では「イノベーション」と言えば、技術革新を意味してきましたが、技術革新のみではイノベーションにはつながらないことが明らかになってきました。このような状況において重要となるのが「人間中心イノベーション」という概念です。i.schoolが掲げている「人間中心イノベーション」とは、人々の生活や価値観を洞察することによって生まれるイノベーションのことです。
    現代社会では、性能の高い製品を作れば売れるというわけではありません。ライフスタイルを大きく変えるほどのイノベーションを生み出すためには、人々が、どんな製品を、何故購入するのかを分析しなくてはいけないのです。

  • 人間中心イノベーションを生み出すためには

    人間中心イノベーションを引き起こすためには、どうすればよいのでしょうか?
    イノベーションを引き起こすための要素は、「スキルセット」、「マインドセット」、「モチベーション」の3つとなります。 ワークショップを上手く進行できる「スキルセット」、「アイデアを出すのは楽しいことだ」といったような気持ちの持ちようである「マインドセット」。そして、人間中心イノベーションを引き起こすための強い「思い」――「モチベーション」が不可欠です。

  • 若手クラスとミドルクラスの役割の違い

    若手クラスの場合、イノベーション創出チームメンバーとして活躍することが求められます。ミドルクラスに革新的なアイデアを発想するための「素材」を提供することが、若手クラスの役割となります。
    一方、ミドルクラスには、イノベーション事業を立案し、事業化に結びつけることが求められます。経験に裏打ちされた広い視野や高い視座からの発想から、成功につながるアイデアを創出することが、ミドルクラスの重要な役割と言えるでしょう。

  • i.schoolの2つの目標
    • 1.   創造性を求められる課題に応じて、最適なワーウショッププロセスを設計できるようになること。

      ワークショップごとにチームの構成や順番、作業内容等を考えられる力です。こうしたワークショッププロセスの質の高さに比例して、イノベーションが生まれる確率が高まります。

    • 2.   「新しくてインパクトを生み出すモノやコトを創出できる」という自信を持つこと。

      社会的課題の解決をテーマとしたi.schoolでのイノベーション経験が、参加者に自信を与え、モチベーション教育にもなり得ると考えています。